「W-CDMAは、第二のPDCになるのでは?」という懸念の声が挙がっている。
次世代世界標準Cellular端末規格として、日本の端末メーカー及び部品メーカー各社のW-CDMAに対する期待は大きかった。
特に、PDCが日本独自仕様となってしまった故に欧米企業の後塵を拝してしまった端末メーカーにとって、世界標準を標榜する日本発のW-CDMAは大きなビジネスチャンスとなり得る。
しかし、最近になって「W-CDMA端末は、期待程市場を拡大しない。」「少なくとも今後5年程度のW-CDMAの普及は日本に限定される」といった見方をする業界関係者が多くなっている。
データ伝送2Mbpsを喧伝するW-CDMAだが、各事業者に5MHzしか割り当てられなかった日本ではサービス開始当初は64kbpsから144kbps程度でしかない。
これに対して、既存方式でのデータ伝送速度の高速化規格が続々と登場している。
GSMでは、2000年後半からMAX144kbpsのGPRS、2002年からはMAX384kbpsのEDGEの採用が予定されている。
そして、EDGE世代には、北米や南米で普及しているTDMAを統合する。
EDGEがGSMにおける事実上の第三世代規格となる。
GSM市場は、データ通信のニーズが不透明であり、EDGEの伝送速度ですら手に余る可能性も指摘されており、W-CDMA(UMTS)の出番は当面ないとの見方が強い。
一方、W-CDMAの最大のライバルと見られているcdma2000では、世代交代以前のIS-95ベースのcdmaOneでのデータ伝送の高速化が着々と進んでいる。
既にcdmaOneでは64kbpsが実用化されており、2001年には144kbpsとなる。
更に、HDR(MAX2.4Mbps)や1xTREME(MAX5.2Mbps)等、W-CDMAの伝送スピードを凌駕する新たな技術が続々と登場している。
そして、国際ローミングサービスも既に始まった。
「少なくとも日本では、W-CDMAは急テンポで普及する」という予想も、疑問符がつく。
日本の第二世代規格であるPDC程の普及テンポ及び普及率は望めないのではないか?
→cdma2000を採用したauグループのシェア拡大
→800MHz帯/1.5GHzのデュアルバンド機投入によるPDCの延命等がその理由だ。
こうしたW-CDMAの将来性に対して敏感に反応しているのは、端末メーカーや部品メーカーである。
これらの企業では、「PDCやPHSの二の舞はご免」という意識が強い。
世界最高レベルとも言える製品を世に送り出しながら、ビジネスチャンスを逃した企業は少なくない。
そして、現在これらの企業の多くは、「GSMしか見ていない」のが事実だ。
グローバルスタンダードになるのは何か?
Cellular市場の黎明期のように見誤る企業は、少ない。
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